いつからか漠然と夢見ていた。 いつか北京に行くことができたなら。 大学での第二外国語も迷わず中国語にした。ドイツ語を選択する学生が多かったが、てめえの足りない頭をいくら捻っても、将来的にドイツ語を使用する場面を思い浮かべることができなかった…
1988年10月15日。 学校の授業を終えた少年たちは、それまでにコツコツと貯めたなけなしの小遣いを握りしめ電車に乗った。近鉄から京阪に乗り換え、地下鉄を使って「ミナミ」へ。田舎町しか知らなかった少年たちにとって、地下から地上に出た目に映った「ミナ…
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