嵯峨塩館

年に1回、この時期に若くして旅立った友人に会いに、山梨へ行く。あれからもう何年になるだろうか。


沖縄から通っていたときは大変だった。土曜日の朝一番に家を出て、飛行機に乗り、羽田空港から都内に出るとそれだけでもう夜になっていた。翌日朝一番の特急で山梨に向かい、すぐに引き返して、なんとか最後の便で沖縄に帰っていた。そう考えると、京都からはまだ行きやすい。



京都駅に滑り込む特急しなの。これで一気に長野県まで行く。今回は列車の旅となった。



車内食用に購入した「かつくら」のひれカツサンド。車窓の風景を楽しみながら、サンドの下に見える、股間に挟んだビールで喉を潤す。原了郭の黒七味が付いていたのでかけてみたが、カツの風味を殺していたのでかけないほうが良かったな。





今回の宿は、例年通り嵯峨塩館。いつも宿泊する2階の部屋を予約して出かけた。2階へ上がる階段の天井には、美しい紅葉の模様があり、思わずじっと眺めてしまった。そういう絵画かなんかかと思ったが、これは自然に天井のガラス戸に葉がかかっているだけで、空が白いのでこんな写真になった。


宿に着いて、まずは湯を堪能する。ここの湯は鉱泉で、ボイラーで沸かした湯に入ることとなる。当日は雨が降っており、露天風呂には傘を頭に載せて入浴した。



階段を見下ろす。



お楽しみの食事タイム。


まずは先付け。この宿は山深くにあり、基本的に山のものしか出さないのだが、例外的に山梨名物の煮鮑が出ている。



この日に採れたキノコ類。右上にあるワイン豚と一緒に、鍋にして楽しむ。



うずらと、うずらの卵のワイン煮



こんにゃくの刺身。味噌だれに、好みで和がらしをつけていただく。



ヤマメ? の焼き物。



イチジクのスープ。やや疲れてきた舌に、程よい甘さが新たな刺激となり、さらに食欲が増す。献立の真ん中でこの変化球は嬉しい。



冬瓜とキノコのあんかけ



ワインを飲ませて育てたワイン牛の朴葉焼き



最後にうどん・茶碗蒸し・香の物・椀。左下はマツタケご飯で、お代わり自由だった。この時点で腹ははちきれそうだったが、もちろんお代わりする。もちろん別腹で、はち切れても後悔しないレベルの美味さだった。


右上にちらりと見えているのは甲州ワイン。美味しんぼでも描かれていたが、本当に甲州ワインは日本食とよく合うと思う。



そしてデザート。左上の山栗のアイスがこれまた絶品だった。


山の恵みをいただき、大満足。ひどい宿だと、山奥にもかかわらず痩せた海の刺身などが出てきてうんざりすることがあるが、この宿はそういったことは全くなく、山のもの直球勝負。食事は全て女将さんが作っているらしい。年に1回の贅沢を堪能した。