ラオス珍道中記其の四 メコン川クルーズ



よく知られているように、ラオスは仏教国として有名であり、日常生活に仏教は欠かせぬ存在となっている。特に寺院の多いこのルアンパバーンでは、早朝の托鉢風景は有名であるが、この地が特別なのではなくラオス各地でも同様の風景が存在する。その一方で、ラオスは現存する数少ない社会主義国家でもある。仏教と社会主義が共存する風景が、このラオスには存在する。



「宗教は阿片である」と言ったのはマルクスだが、本来共産主義と宗教は矛盾する存在ではない(同様の存在だと指摘する人もおり、儒教をはじめとして道教や仏教など様々な宗教を取り入れてきた中国が最後に選択したのが「共産主義」という宗教だと陰口をたたく人もいるが、この話はまた別の機会にでも)。日本でも「共産党員で創価学会員」という人は実在するが、共産党は信教の自由を認めており、創価学会も支持政党を強制していない。この人は「個人の中で信教分離」が為されている稀有な存在なのか? 国家で例えるとラオスは似た存在なのか? それとも宗教弾圧を繰り返している国こそがマルクスに背いているのか?





メコン川に面して作られている宿のレストランにて朝食をいただく。手摺の向こうでは悠々とメコン川の濁流が流れる。




メコン川クルーズへ。このボートに乗り、約2時間をかけて上流にある洞窟を目指す。





途中でボートを漕ぐ坊主に遭遇。





洞窟に着く前に、川沿いの村で休憩する。この村では酒造を行っており、各家の前ではラオス酒(ラオ・ラーオ)やきれいな布が並べて売りに出されていた。





洞窟に着く。





中には無数の仏像がひしめく。






仏像の見学を終え、帰路に着く。実はほとんど往復の船旅が目的であり、存分に「メコン川クルーズ」を楽しんだ。





町に戻り、ワット・シェーントンを訪ねる。何層にも重なる屋根があまりにも美しい。