北京珍道中記其の参 この世で一番美味いもの



この世で一番美味いもの。それは全聚徳の北京ダックであると、浅田次郎は言った。小説「中原の虹」の中でも、作中の人物たちがこの北京ダックに舌鼓を打つ場面が描かれている。


世界一美味い食べ物なんて、本当に人それぞれだと思うが、日本人作家が絶賛するその味は、できれば北京に行くことがあるのであれば味わわなければならない。そんな気持ちにさせるものだと思うが、如何でしょうか。






宿泊した宿の中庭。昔ながらの四合院をそのまま宿にしたその建物は、少し歩けば王府井という北京随一の繁華街があるとは思えないくらい、その宿は静謐に包まれていた。





万里の長城へ。てくてく歩いての散策を考えていたが





実際はこのように急な階段が連続していた。









オリンピックの舞台となった鳥の巣の横を通る





この日の晩餐はもちろんここ。





絶え間なく北京ダックを焼く釜の横では、調理人が休憩していた。





前菜に舌鼓を打つ。





焼きあがった北京ダックは、慣れた手つきですぐ横で切り分けてくれる。





意外と前菜で腹いっぱいになっていたてめえら一行は、「北京ダックだけにしておくべきだった!」「前菜はいらんから北京ダックだけ倍量注文しておけば!」と唸った。その北京ダックはサクサクで、皮に付いた肉も絶品だった。





絶品北京ダックを味わい呆然とするてめえらに頂いた一枚の紙。一世紀前から焼き続けたダックの総数が書かれており、てめえらのダックは115,413,543羽目らしい。てめえの記憶では北京ダック1羽は日本円にして2000円台くらいだった。観光客だけではなく多くの人民たちが北京ダックに舌鼓を打っていた。





帰り道に見つけた屋台。





宿に帰ると夜の帳はとっくに下りていた。